福井中学校における元服式
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福井中学校では、郷土の偉人である橋本左内先生が、数えの15歳で自戒の書である『啓発録』を記したことにちなみ中学2年生で元服式を行っています。式では生徒の代表ひとりが狩衣をまとい、烏帽子親の校長先生から烏帽子を授かります。(加冠の儀)。
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そして、2年生全員で、橋本左内先生が記した啓発録の5つの誓い(元服の誓い)を斉唱します。そのあと、自分たちで作成した啓発録の朗読を行い(決意文発表)、今後の生活への誓いを立てます。(式典のパンフレットより)
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橋本左内(参照リンク)
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越前福井藩主 松平慶永に徴用され、藩校・明道館(現県立藤島高等学校)学監心得などを務めました。幕末、由利公正らとともに幕政に参加し。慶永を助け、一橋派として活躍するとともに、将軍を頂点とする統一国家を構想しました。しかし、志半ばで、安政の大獄により、江戸で刑死しました。
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啓発録(参照リンク)
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「啓発録」は、偉人や豪傑の言行、精神等を学び触発された橋本左内が、15歳の時、自らを奮い立たせるために記した行動規範であり、次の5項目に亘って誓いを立てています。
一 稚心を去る
一 気を振う
一 志を立てる
一 学に勉める
一 交友を択ぶ
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元服式 当日を迎えて
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今年の元服式は、当初2月9日(金)を予定していました。
しかしながら2月5日から8日にかけて福井市を中心に県内は記録的な大雪となり、7日には降雪量が147㎝にまで達しました。元服式はもちろんのこと、中学校は休校措置がとられます。翌週も市内の交通はなかなか正常に戻らず、式が挙行できたのは22日(木)のことでした。
これまでの大荒れの天気がうそのように晴れわたる日和のなか、生徒の母校の校長先生など多くのご来賓をお迎えして厳かに挙行することができました。
―加藤校長、式がずいぶん延期になって大変でしたね。と声をかけさせていただくと、
「実際の式典の準備や練習も例年に比べるとほとんど時間がとれない中、先生方の指導と生徒たちのチームワークで、感動的な式となりホッとしました。」
と笑顔で応えてくださいました。
烏帽子を授かり5つの誓いを述べる代表の男子生徒。自分なりの決意文『私の啓発録』を披露してくれた二人の女子生徒。そして、会場である金井講堂が割れんばかりの大きな声で、本学の建学の精神や校歌、国家を斉唱してくれた全校生徒のみなさん。
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きっと、それぞれが掲げた「私たちの啓発録」の実現に向かって、日々努力を重ねてその目標をクリアしてくれることと思います。
「素晴らしい式になりました。ありがとう。最後は一本締めで!」
ご来賓を見送ったあと、司会の先生の掛け声で式典が締めくくられました。
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元服とは(参照リンク)
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「知」をつなぐな「未来」を創る。
福井工業大学附属福井中学校
文責:金井学園広報 KEI NEWS STAND