
博物館の外観 横長の施設の中を回廊する設計
令和3年6月11日、福井市の一乗谷朝倉氏遺跡一帯で日本最大の戦国城下町「一乗谷ミュージアム」化の構想を進める福井県が、中核施設として建設を進めている「一乗谷朝倉氏遺跡博物館」(仮称)の建設工事現場を、福井県土木部公共建築課様、内藤廣建築設計事務所様のご協力のもと、福井工業大学建築土木工学科で建築施工を学んでいる3年生が見学に訪れました。北陸新幹線敦賀開業の半年前の2022年10月の開館を目指すこの施設は、鉄筋コンクリート2階建て、延べ約5200平方メートルの大小五つの屋根からなる奥行きのある建物で、その外観にまず圧倒されました。
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説明に聞き入る学生たち
また、建物の内部には平成29年の発掘調査で発見された石敷遺構の現物をそのまま露出展示(船着き場や荷揚げ場の機能を果たす川湊を持った流通拠点「一乗の入江」の一角とみられる遺構)するスペースを確保するために柱のない巨大な空間を創り出すなど、内藤廣建築設計事務所らしいダイナミックなデザインが詰まっており、学生たちはその完成図を想像しながら内部の様子をじっくりと見学していました。
こうした大型の建造物の建設途中の様子を、学生が実際に目にする機会を持つことは、とても貴重なまなびの機会であり、建築土木工学科では毎年こうした見学会を企画しています。この現場では、本学の卒業生したばかりの先輩学生も働いており、引率の五十嵐先生と談笑している様子がほほえましく感じられました。
メディア取材に同行した際、学園広報用に内部の写真撮影の許可もいただいたので、その一部をご紹介したいと思います。
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1階奥 石敷遺構の現物をそのまま露出展示するスペース

内装に使用される木材

内装工事 木材を湾曲に加工しています

2階 巨大ジオラマを覆う巨大スペース

建物1階 内観パース

建物2階 内観パース

コンクリートを斜めに打つのはとても難しいそうです
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完成まであと1年4か月。
「何もない」場所として
某携帯電話会社のCMで
全国的に有名になった
一乗谷を大きく変える
観光拠点施設となりそうです。
関連リンク:
・一乗谷朝倉氏遺跡博物館(仮称)整備基本計画
・一乗谷朝倉氏遺跡資料館