全国の工科系8大学が参加し、理工系高等教育の活性化を目指して開催される第4回「工大サミット※1」。今年度は11月27日、昨年の福岡工業大学から場所を広島工業大学に移し、「理工系ものづくりにおけるSociety 5.0 for SDGs」をテーマに開催されます。福井工業大学は、掛下知行学長のスピーチに続いて、環境情報学部 環境・食品科学科(現 環境食品応用科学科) 笠井利浩教授の研究室に所属する國廣圭太さん(4年)が2年生の時から同研究室に早期配属を自ら志願して取り組んできた雨水活用に関する研究成果の報告を行います。
金井学園広報担当は、その國廣さんにサミットに向けた意気込みを伺いに行ってきました。
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↓工大サミットへの意気込みを語る國廣さん
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研究室は、笠井教授の研究活動の活発さを物語るおびただしいほどの備品類がコンテナにぎっしりと積みあげられていて、そうしたモノに少々圧倒されながらお話を伺いました。
ー早速ですが、本学の環境・食品科学科に進学するきっかけなど教えてください。―
(國廣さん)|高校時代から理科系の科目、特に化学が好きでした。あとは「環境」というキーワードにも興味があり、附属高校からこの学科への進学を決めました。
―笠井研究室の活動を知ったのはいつですかー
(國廣さん)|確か2年生の時に、笠井先生の地学概論の選択授業で、「赤島」という水道のない五島列島で、雨水活用の研究を進めているという話を聞いたのがはじまりでした。もともと環境についての研究活動に興味があったし、単純におもしろそうだと思いました。ただ、この赤島のプロジェクトに参加するためには早期配属が必要であったため、2年生の時に笠井研究室に早期配属を志願したんです。
―赤島での活動で印象に残っていることは何ですか―
(國廣さん)|2019年の夏の現地で過ごした3週間の活動です。笠井研究室では、その2~3年ほど前から先輩方が荒れ地を切り開き、「雨畑」と呼んでいる装置を作り、こちらから持ち込んだ雨水タンク等を設置するところまで作業が進んでいて、この年はその雨畑からの配管作業や砂浜から砂を運ぶ地ならしの作業などを行いました。参加していたのは、笠井先生と同じ学部デザイン学科の近藤先生、学生は自分たちの学科4名とデザイン学科の学生2名です。
「あかしまの家」という宿泊施設までようやく配管を通し、蛇口をひねって水が勢いよく出るのをところを確認したときは、本当に感動しました。この様子は現地の長崎新聞やNHKにも取り上げられました。
結構きつい赤島での活動のなかで、まったく作業をしないオフの日を一日先生が作ってくれました。その日は、海水浴をしたり、竹で竿を作って魚釣りをしたりして本当に良い思い出ができました。あと、赤島へ向かう中継地である五島列島の中でも大きな福江島で食べた五島牛がおいしかったです。ただ、普段は当番制で食事づくりをしましたが、ほとんどが福井で調達したものを調理して食べていました(笑)。
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―いよいよ工大サミットが近づいてきましたね―
(國廣さん)第一部のなかで、掛下学長先生が2分間大学の研究活動の近況などを報告されたあと、5分間一人でプレゼンテーションを行います。今から緊張していますが、このような体験は2度とできないと思うので、がんばって発表に挑みたいと思います。
学長先生にも一度プレゼンテーションを見ていただき、今は資料についてもかなりブラッシュアップしました。発表で特に強調したいところは、赤島で生活している住民の皆さんから聞き取りしたアンケート結果でわかったことなのですが、1日の水使用量がたった50~60Lであること。東京の平均は210Lですから、やはりかなり節水されています。ただし、節水を強いられているなかで、赤島の各家庭の貯水はコンクリート製であまり衛生的に良くありません。そこで、笠井研究室では、1年目に雨畑を設置、2年目には貯水タンクを設置、そして3年目、ようやく配管という一連の流れの部分も力を入れて発表したいです。
―今後の予定なども聞かせてください―
(國廣さん)卒業研究をまとめないといけないのですが、この赤島での活動や雨水を使った飲料開発などの現在の活動報告ではなく、貯水タンクの制御ができる回路を製作したいと考えています。少し、これまでの研究とは傾向が違うのですが、もともと“ものづくり”が好きで、雨水タンクの制御・遠隔操作などIoTの開発をすることでこれまでの研究の集大成になればと考えて、日々研究室で作業を行っています。赤島での研究・活動で得たことは、就職活動にもとても役に立ち、お陰様で県内企業への内定もいただきました。
―研究室での活動の終盤戦。頑張ってくださいね。―
(國廣さん)ありがとうございます。頑張ります。
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【補 注】
※1工大サミット|工業立国を支える人材育成に対する工科系大学としての使命と、ボーダレス化の進展する世の中で、イノベーションを創出し、グローバルな環境で活躍できる人材育成を共通課題とし、各大学の人的・物的資源の情報共有と、相互の連携・協力による理工系高等教育の更なる活性化を目指して、平成29(2017)年に設立されました。
●参加大学:愛知工業大学/大阪工業大学/神奈川工科大学/芝浦工業大学/
東北工業大学/広島工業大学/福井工業大学/福岡工業大学
第4回工大サミット 特設ページは こちら から
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あとがき|一つのことに熱中すると他のことが見えなくなるほど没頭するという國廣さん。指導されている笠井教授とどこか似ているような気がしました。まずは、工大サミットのプレゼン。大学代表として堂々と発表してきてください。
「知」をつなぐ。「未来」を創る。|福井工業大学