令和4年11月6日(日)に本学工学部 原子力技術応用工学科3年生で「原子力行政」を受講している学生14名と教員5名が国の原子力総合防災訓練に参加しました。この訓練への本学学生の参加は初めてとなります。
今回の原子力総合防災訓練は「福井県嶺南を震源とする地震により美浜原子力発電所において重大な事故が発生し、若狭町岬地区において空間放射線量率が基準値を超過したため避難指示が出た」という想定で行われました。
学生たちは岬地区にある若狭町漁村体験施設みさきちから避難するという想定状況で訓練に参加しました。当初は大型ヘリコプターで避難する予定でしたが悪天候のため、急遽陸上自衛隊の特殊車両3台に分乗して避難場所へ出発。途中でバスに乗り換え、おおい町のうみんぴあ大飯に仮設されたスクリーニング検査会場に向かいました。バスの放射能汚染検査や除染がおこなわれた後、降車。学生は一人ずつGMサーベイメータによるスクリーニング検査を受け、ランダムで選ばれた学生数名は簡易除染を受けていました。
参加した学生たちは次のような感想を持ったようです。
「避難を体験することによって、原子力災害が発生した時の対処方法について考えることができた。」
「実際に事故が発生した時の対処方法をよくわかっていなかった。訓練に参加したことによりどうすべきかが理解できた。」
「自分自身で除染することを知り、びっくりした。充実した時間が過ごせたので、機会があればまた参加してみたい。」
学生たちは訓練を通じて、非常時にどのように避難が進行していていくか、どのような手順でスクリーニングがおこなわれていくかなどを体験することができました。複数の原子力発電所が立地する福井県における「地域」と「行政」との係わりや原子力防災の取組みを理解することができる重要な体験となりました。
【原子力総合防災訓練について】
この訓練は原子力災害時の対応体制を検証することなどを目的として国、地方自治体、原子力事業者などが合同で実施する訓練です。毎年各地の原子力発電所等が立地する県で実施されています。また、福井県独自の原子力防災訓練を毎年おこなっています。