「フェイクメディアの拡散と生成を防ぐ先駆的研究」で 本学教授が科学技術賞(研究部門)を受賞
文部科学省が令和7年4月8日(火)に発表した「令和7年度 科学技術分野の文部科学大臣表彰」において、
「フェイクメディアの拡散と生成を防ぐ先駆的研究」(共同研究)の業績により、
本学経営情報学部長の馬場口 登 教授が、科学技術賞(研究部門)を受賞しました。
つきましては、以下の日程で説明会を開催します。
日時 令和7年4月23日(水)11:00~12:00
場所 福井工業大学タワー3階 プレゼンテーションルーム (福井市学園3-6-1)
発表者 福井工業大学 経営情報学部 経営情報学科 馬場口 登 教授
内容 フェイクメディアの拡散と生成を防ぐ先駆的研究
越前 功 情報・システム研究機構 情報社会相関研究系 教授
山岸 順一 情報・システム研究機構 国立情報学研究所(NII)コンテンツ科学研究系 教授
馬場口 登 (ばばぐち のぼる) 福井工業大学 経営情報学部長・教授
業績要約
顔、身体、音声などの人間由来の情報をAIが学習し、本物と見紛うシンセティックメデイアの生成が可能になり、様々な用途で活用されている。一方、シンセティックメデイアの負の側面として、詐欺や思考誘導、世論操作を行う目的で、組織や個人が生成AIを用いてフェイク映像やフェイク音声といったフェイクメデイアを生成し、拡散させており、世界的な脅威となっている。
本研究は、生成AIによるフェイクメデイア拡散の脅威を予見し、フェイクメデイアの拡散と生成を防ぐ革新的な技術群を確立した。フェイク顔映像をAIモデルにより検出する手法や、フェイク検出と改ざん領域推定を同時に行う手法などを提案し、Deepfake detectionと呼ばれる研究分野を創成した。
本研究により、フェイクメデイアの拡散と生成を防ぐ先駆的な学術成果のみならず、フェイク顔映像検出や音声プライバシー保護の産業応用といったイノベーションを創出し、社会課題の解決に貢献している。
本成果は、生成AIの負の側面に適切に対処する基盤技術を提供することで、情報の信頼性を確保しながら、多様なコミュニケーションや意思決定を支援可能とし、人間中心の健全なサイバー社会の実現に寄与することが期待される。